小学校や中学校への入学時の4月には、多数の書類提出が求められます。
その量には驚かされますし、記入方法がわかりにくいものも少なくありません。その中でも、家庭環境調査票があります。
個人情報保護の意識が高まる中で、不必要な情報は記入したくないものです。そこで、家庭環境調査票がどのように書くか、書き方をご紹介します。
具体的な記入例も掲載していますので、ご記入時の一助としてご利用いただけます。そのまま使用しても構いませんが、各家庭の具体的な状況に応じて適宜調整してください。
小学校・中学校の家庭環境調査票とは?
小学校・中学校に提出する家庭環境調査票とは、具体的にどのようなものでしょうか?
このフォームは、学校が児童・生徒の家庭背景を理解するために使用します。この調査票は、主にクラス担任が参照します。
主な使用目的は、緊急連絡先の確認や家庭訪問の際の住所確認などです。親の職業や家庭での教育姿勢を記入する欄もありますが、これが重要視されることは少ないようです。
重要なのは、入学初年度に記入した情報が、最大6年間引き継がれる可能性があることです。新しい学年になるたびに担任が見直しますが、通常、大幅な修正は求められません。
したがって、最初にどう書くかが非常に重要です。
ただし、毎年新たに記入する必要がある学校もありますので、気にある場合、通っている学校へ確認することをおすすめします。
小学校・中学校の家庭環境調査の書き方
家庭環境調査票は、各学校によってフォーマットが異なります。内容は学校によって大きく変わり、「ある学校では保護者の勤務先まで記載が必要なのに、他の学校では単に名前と連絡先だけで済む」といった違いがあります。
この調査票は通常、クラス担任が閲覧することが多く、過度に神経を使う必要はありません。
ただし、提供される情報は正確であるべきですので、間違いのないように記入することが求められます。情報の誤用を心配する必要はないといえます。
なお、この記事で使用される人名や住所などは、もちろんすべて架空ですので、一応ご案内しておきます。
名前、住所、保護者の緊急連絡先の書き方
お子さんの名前、住所、保護者の情報は非常に重要です。特に漢字での記入には注意が必要で、正式な字体を使用しましょう。
例えば、「高木」ではなく「髙木」と必要な形で記入します。
緊急連絡先は、昼間でも連絡が取れる電話番号を記入することが望ましいです。携帯電話番号または自宅電話番号のどちらかを記入します。
名前 | 高橋 美月(たかはし みづき) |
住所 | 東京都足立区○○1-2-3○○マンション101号室 |
保護者名 | 高橋 芳美 |
緊急連絡先 | 080-1234-5678 |
自宅電話番号 | 012-345-6789 |
漢字の「高」には「髙」と「高」がありますが、正確な形を使用することが重要です。
この情報は学校の公式文書や表彰状などにも使用されることがありますのが理由のひとつです。
家族構成・続柄・職業・連絡情報の書き方
家族の状況、構成を明確に記載します。年齢の記入が必要な場合もありますが、記入したくない情報については省略しても問題ありませんが、なるべく書くほうがいいと思います。
通常、詳細は家庭訪問などで必要に応じて尋ねられますので、過度に心配する必要はありません。
最も気を付ける点は家族の続柄です。これは子供にとっての家族の役割を記述します。例えば、父、母、本人、祖父母、兄弟姉妹などです。
- 山本雅史(父)会社員 TEL023-456-7890(勤務先)
- 山本真理子(母)非常勤 携帯090-9876-5432
- 山本健太(兄)地元中学2年生
- 山本莉子(本人)小学1年生
- 山本桃子(祖母)無職 携帯080-5678-1234
異なる学校に通う家族がいる場合は、学校名も記入することが親切でしょう。
家庭の教育方針と学校への要望の書き方
教育に関する具体的な方針を問われると戸惑うかもしれませんが、重要なのは日常生活や学習に対する取り組みです。
以下は例ですので、参考のひとつにしてください。
- 自ら考え、行動できる子に成長してほしい。
- 子どもが関心を持つ分野を支援したい。
- ルール違反には厳しく対応している。
- 得意でない分野にも挑戦させたい。
- 友情を大切にし、仲良くするよう励ましている。
- 礼儀正しい子に成長してほしい。
- 周囲に迷惑をかけず、自立心を育てる。
- 子どもの長所を見つけ、伸ばしてほしい。
仲の良い友人・交友関係の書き方
新しく転入したばかりで知り合いが少ない場合、この欄は空欄にしても大丈夫です。地域や以前の保育施設での親しいお友達の名前を記載しましょう。
- 田中一郎君(同地域の6年生)
- 佐藤望ちゃん(以前の保育園の友人)
- 鈴木翔君(小学校からの友人)
自宅への地図・案内図・アクセスの書き方
地図作成は煩雑に感じることもありますが、パソコンを使用すれば、Google Mapsなどのサービスから簡単に地図を印刷し、使用することができます。
自宅の住所をオンラインで検索し、適切な範囲を選んで印刷すると便利です。地図に目立つマークを加えると、より分かりやすくなります。
手作りの地図を作成する場合は、自宅の近辺を詳細に描き、目立つランドマークを数点加えることが重要です。
もし学校からの距離が長い場合、途中の詳細を省略しても問題ありません。
提供する地図は、主に家庭訪問時に役立つため、先生が容易に自宅を見つけられる程度の情報があれば十分です。
子どもの特徴や長所と短所の書き方
記入が求められることの多いのが、長所と短所です。多くは長所を中心に記入しますが、まずはお子さんの日常から目立つ好印象を受ける点をどんどん書き出して挙げましょう。
日々の行動から長所を見つけてあげます。むずかしいと考える項目ですが、あらためて振り返るといろいろな子どもの良さがわかるものです。
短所について記述する欄がある場合でも、それが将来的には長所となる可能性のある特性となりますので、簡潔に述べるのが良いでしょう。
- 社交的で人を楽しませることができる
- 文字を書くことが得意
- タブレット操作が上手
- 運動を好み、体を動かすことに長けている
- 食事の好き嫌いがない
- 柔道の技術に自信がある
- 水泳が得意
- 人に対して優しい態度を取る
- 興味のある分野に積極的に取り組む
- 何事も真剣に取り組む姿勢がある
- 食べ物の好き嫌いが特定のものに限られる
- 一度決めたことを変えるのが苦手
- 集中力が短時間で切れやすい(→短期集中は得意)
- がんこもの(→自分に真っすぐ)
健康情報やアレルギーなどの書き方
健康に関わる重要な情報、特に食物アレルギーや持病は正確に記載することが必要です。
以前にアナフィラキシーショックを経験したことがある場合や、特定の運動に制限が必要な場合も詳しく書きます。
- 喘息もち
- 甲殻類(エビ・カニなど)アレルギー
- 卵アレルギー
- 扁桃腺が腫れやすい
- 乳製品アレルギー
- 虫刺されによるアナフィラキシー注意
- 運動制限あり
情報が更新された場合、アレルギーが発覚した後に学校にはすぐに連絡をし、次回の調査票更新時に加筆することが可能です。
たとえば、学校からの確認時や新学年開始時などです。
学校のホームページ等での写真掲載についての書き方
学校が運営するホームページ等において、児童・生徒の活動写真が使用されることがあります。これらの写真の公開については、顔が特定されにくい形で配慮がなされる可能性が高いため、通常は公開を同意しても問題はありません。
特に事情がなければ同意するのがよろしいかと思います。
学校によっては、他の項目も存在する可能性がありますが、ここまでの情報が記入の参考になればと思います。少しでも書類作成に役立ててくださったらうれしいです。