多くの時代劇で見かける「岡っ引き」という存在は、最近あまり使われません。ですが、どこかで聞いたことある言葉ではあるかと思いますので、聞いたことはあるというのがほとんどではないでしょうか？
ただ、「銭形平次」など、岡っ引きを主人公にしたドラマは有名です。
若い世代にはあまり馴染みのない職業かもしれませんが、他の時代劇でも、岡っ引きは頻繁に登場する脇役です。
実際、岡っ引きとはどういうものか疑問に思う人もいるでしょう。
ここで、岡っ引きの具体的な職務、どのような人がこの仕事をしていたのか、そして彼らの社会的地位や収入について調べた限りを説明します。
岡っ引きの役割は今で言うと何になる？
岡っ引きは、江戸時代に特有の職務を果たしていた人々です。
現代の言葉で表すと、正式な警察官ではなく、捜査支援を行う重要な役割を持っていたそうです。
彼らは、同心（現代の警察官に似たお侍さん）の指示に従い、捜査を補助していたのです。
同心によって雇われてはいましたが、公的な地位は認められていませんでした。
そのため、現代で言う私立探偵や情報屋といった名称、役職になるでしょう。
地域によって岡っ引きの呼び名は異なり、江戸では「岡っ引き」、関八州では「目明かし」、関西地方では「手先」や「口問い」と称されていたそうです。
彼らは、江戸時代の警察機構である町奉行所や火付盗賊改方の非公式なサポート役として活動していました。
通常は十手（捕物用の道具）を携帯しているわけではないが、必要に応じて貸し出されることもあったようです。
また、個人で十手を持っている人もいたそうです。
捕物では、主に情報収集を行いつつ、時には同心の代わりに犯罪者を拘束することもありました。
さらに、「下っ引き」と呼ばれる部下を連れて活動することもあり、岡っ引きと下っ引きを合わせると、江戸には約3000人がいたと言われています。
彼らの収入は、同心からの直接報酬以外にも、地域からの付け届けなどがあり、その収入は生活費や食事の提供に充てられていたようです。
こうして岡っ引きは、現代の私立探偵や情報屋と似た職務を担いながらも、江戸時代特有の社会システムの一環として活動していたのです。
岡っ引きの社会的背景と身分
岡っ引きは、同心によって私的に雇用され、奉行所の非公式ながら捜査支援の重要な任務を担っていました。
この役割を果たす人々は多種多様な過去を持っており、中には以前は犯罪者であった者も多かったようです。
特に、任侠、博徒、無宿者といった軽犯罪者が主に選ばれていましたが、彼らはその経歴、経験によって、優れた情報収集能力を持っていると評価されていたようなのです。
犯罪者の思考や行動パターンに精通していることが、彼らが採用される大きな理由でした。
一方で、日常的な仕事を持ちながら岡っ引きを行い、わずかな手間賃で務める者もいました。
しかし、過去の素行の悪さが原因で時折問題を起こし、岡っ引きの存在自体が禁止された時代もあります。
中には、自身の地位を利用して違法な賭博場を経営する者もいるとされ、そのような行為が問題視されました。
１８００年前半ごろには、岡っ引きへの手当てが支払われ始め、彼らの活動が徐々に公認されつつある傾向にあったものの、依然として公式な報酬は存在しなかったようです。
こうした背景を持つ岡っ引きは、過去の経歴の深い知識を活かし、信頼を得ながら独自の方法で捜査活動に貢献していたようです。
岡っ引きの収入源とは？
江戸時代の岡っ引きは同心（現代の警察官に似たお侍さん）に雇用され、捜査支援や情報収集を主な任務としていました。
彼らに支払われる報酬は同心から直接渡されることもあり、「給料」としての性質を持っていましたが、生活を支えるには不十分な額だったと言われています。
岡っ引きには情報屋としての側面もあり、同心による個人的な雇用と経済的な援助が見られました。
さらに、副業を持つ岡っ引きや商売を営む家族を持つ者もおり、彼らはそれぞれの方法で経済的基盤を築いていました。
岡っ引きの収入については、複数の見解が存在します。
一つは同心が個人的にポケットマネーから支払う場合、もう一つは奉行所に報告された岡っ引きの人数に応じて支払われる場合です。
どちらにしても、十分な生活費を確保するには足りない額であったと共通している点です。
岡っ引きが低給にも関わらず求められた理由には、権力を少しでも傍に感じる優越感や、その権力を利用して金銭を得る機会があったからです。
時にはそのような行動が社会問題となり、幕府が岡っ引きの活動を禁止する措置を講じることもありました。
しかし、岡っ引きは「必要悪」としての役割も担い、時代によってはその存在が容認され続けていました。
ドラマで見る岡っ引きの多くが悪役として描かれ、権力を背景に不正を行う場面は一般的な描写の一つです。
江戸時代の岡っ引きとは？今で言うと何になる？職務内容と社会的地位のまとめ
江戸時代の岡っ引きに関する概要として、彼らの身分、給料、職務についての詳細をまとめました。岡っ引きは非公式ながら捜査支援の役割を担っており、同心から直接雇用されることが一般的でした。
彼らの収入は不十分であり、生活を支えるために副業を持つ者もいました。また、岡っ引きの中には以前は犯罪者だった者もおり、その背景が情報収集能力に役立っていたとされます。
しかし、その地位を利用して不正を働く者もおり、時には幕府によって活動が禁止されることもありました。
このように時代劇で見ていた岡っ引きとは違っているようです。少し調べてみるだけでも面白いですので、さらに知識を深めていきたいと思いました。
